別れ

別れとは突然にやってくるものだ。

ジオパワーシステム越谷レイクタウン体感館(埼玉県)のオープンで同館に来ていた際、妹のイツ子から電話があり、さぁちゃんねえちゃんが亡くなった…とのこと。

さぁちゃんねぇちゃんとは、我が橋本家にはなじみが深く、私がまだ小さい頃は我が家は貧乏だったため、いろいろと買ってもらっていた。6人兄妹の中では自分とイツ子の2人が特に世話になった。

大人になってもいろいろと助けてもらったものだ。

私は30歳で独立して船舶の修理業を始めたが、最初は仕事が思うようになかった。ある人に「旋盤が使えれば仕事はいくらでもある」と言われたが私には旋盤がなかった。ちょうどその時、50万円の中古で掘り出しものの旋盤があった。金が無くて困っていた時に、さぁちゃんねぇちゃんに相談したら半年の期限付きで借りることができ、旋盤を購入することができた。
しかし、旋盤を設置後、仕事をもらいに行ったが、半年のうちに仕事はとうとうこなかった。この50万円を返すのに、今は亡き女房と金策に走りまわったことが昨日の様に思い出される。

先日も、スーパーマーケットで買い物中に久しぶりに会った時は「フサちゃん(妻)をなくしてさみしぃねぇ~」「一人で買い物もさみしぃねぇ~」と親身になり話してくれた。「車で送ろうか」と言うと、「リハビリのため、近くだから歩いて帰るからいいよ、あんたも気をつけてね」と別れたばかりだった。子どもたちのために働き、生きた昭和の母親である。

さぁちゃんねぇちゃん…葬式には行けず、ごめんなさい…。
安らかに旅立って、あなたが大好きな家族を見守ってやってください。
さようなら。