秋芳洞

先日、テレビの取材で久しぶりにGEOパワーシステムの原点である秋芳洞に行った。
外は30℃近い気温だったが、洞内は一年中、一定して15℃前後、夏は涼しく(寒いぐらい)冬は暖かい、まさに天然のエアコンである。発想の原点は「地中にあり」である。

秋芳洞

エアコンのない昔は、生活の工夫や自然との上手なつきあい方により、夏涼しく冬暖かい生活を享受できていた。

我々の地中熱を基本とした自然エネルギー利用換気システム「GEOパワーシステム」はまさに「自然との共生」であり、それにより「暑ければ少し汗をかき、寒ければ1枚着る」という考え方がベースとなっている。つまり人間の本来持っている自然の治癒力を回復させ、病気に対する抵抗力をも備えるという、一石三鳥以上の効果を作り出すシステムである。

これを全国に広め、多くの方に自然の力で幸せをつかんでもらえば、開発者冥利につきるというものだ。このシステムが世界標準になり、人々の平和を、環境・健康面で貢献できることを願いつつ、自然の偉大なる造形をあとにした。

放送予定:7月18日(日)16:00〜17:00(予定)
       (毎日放送及び全国ネット)

修学旅行

船乗りは入港日前日は修学旅行前日の子どもの様に楽しいものだと話したが、この「修学旅行」に関連した出来事が最近あったので紹介したい。

先日、会社に出社すると私の机の上に袋が置いてあった。

中を開けると、手紙と広島名産のもみじ饅頭が3個入っていた。長男(社長)の娘で孫の七重(ななえ)からのプレゼントだった。「じぃちゃん、修学旅行に広島・宮島に行ってきました。お土産にもみじ饅頭3種類、一個ずつだけと食べてください。また遊びに行きます」とのこと。

七重からの手紙

なるほど、もう小学六年生か…(ということは「もうすぐ中学生」…コメディアンにそんな名前がいたな)月日の経つのは早いものである。また文章もしっかりして字も上手になっていた。

夜にさっそく、お礼の電話をすると、「じぃちゃん、少なかったけどおいしかったでしょう?」と孫娘。私は「どれだけお金をかけて食べたものより、このもみじ饅頭はおいしかったよ」と伝えたがまさにその通り。

送る側と受ける側の心の持ち方でそれは「最高の贈り物」になる。

家造りも心を込めて作れば、必ず幸せをプレゼントできる…との思いで今後も頑張りたいものである。
一同、起立! …礼! すべてに感謝。

海から見る広大な光のバリアー

港にて船乗りが入港する時の気分は、子供の頃の「遠足の前日」の時のそれに近いものがある。

「陸にあがったらまず何をしようか…」
「女房は元気でいるだろうか…」
「子どもは成長しているだろうか…」

…等々、いろいろ考えたものだ。
そんな入港の夜はデッキ(甲板)に出て、入港の方向を眺めている時に決まって見る光景があった。

 

 

(写真=船乗り時代・港にて…写真右が長男(現社長)、左が長女)

それは、水平線上に浮かぶ広大な光のバリアーである。

近づくにつれてそれが都市の熱気か、巨大なドームの様に空中を覆っていた。この熱気がヒートアイランドを形成しており「この熱を冬場の都市に還元できたらいいのに…」と当時は漠然と考えていたものだ。若気のいたりで入港後の楽しみが先となり忘れていたが、これがジオパワーシステムの原点になろうとは…。すなわち冬場の発生熱をもう一度室内にリターンしてエネルギーを有効利用し省エネにつなぐという考え方である。

発想と行動はつねに必要なものであるとつくづく思う。年を重ねてもいつまでも若者の心でいたいものである。

グランドキャニオンを目指して

私の若いときからの口グセは「日本で通用すれば富士山に、世界で通用すればグランドキャニオンに登る」だった。あの当時は目的が漠然としていて、そう豪語していた。

グランドキャニオンイメージ

亡くなった女房は「あなたは何を言い出すか分からないけど、不思議な人やねぇ…。あなたの言うことは10年経ったらその様になるちゃあねぇー。」とよく、言っていたのを思い出す。
船乗りを30歳でやめ、鉄工業で起業し、独自の軽量鉄骨工法「SST工法」を開発。SはStone(ぐり石=環境)、次のSはSteel(鉄=安全)、そしてTはTimber(木=健康)であり、最初の「S」がジオパワーシステムに進化した。
開発当時は「これを世の中に広めれば、グランドキャニオンの頂上で小便する」と宣言し、周りの者は口をそろえて「何をまた馬鹿なことを…」と言っていた。
しかし、にわかに脚光を浴びながら、このシステムは世界に通用するシステムになりつつある。今、世界中から引き合いが来ている。太陽と地盤と温度差があれば世界中どこでも使える、つまり「エネルギーの地産地消」だ。

我がシステムは幸せを育む家造りの原点。より多くの方に家を建てて健康になってほしいと願う。

未だ見ぬデコポンさんへ

我が家で採れたデコポン。私の欲から「もっと大きくなれ、大きくなれ…」と旬の時季を過ぎたが大きくならず。デコポンよ、申し訳ない…。今はなき女房と二人、共同作業で植えたのを思い出す。

デコポンさん(※1)の記事などを開発の原点を振り返り見ながら、
嬉しくて涙が止まらなかった。

家を建てて幸せになる…。これが私の原点です。
いつもありがとうございます。時季はずれですが、我が家のデコポンを味わってください。

デコポン

GEOパワーシステム開発者 橋本 東光

※1)デコポンさん:GEOパワーシステムをご導入いただいた三重県のお客様。ブログ「デコポンさんちの地熱日記」で地熱の家の住み心地をレポートされています。

船乗り時代の面白い男

そういえば、船乗り時代にKという面白い男がいた。

彼は長崎県の五島列島にある宇久島の出身。自分より確か2歳年上だったと思うので、今はもう70歳に近いはずだが…。ちょうど10年位前に、私の話を聞きつけて電話してきた。当時は私と2人でよくつるんでおり、今思えば若い頃の2人の武勇伝は、すごいものがあると思う。
当時の上司からは「仕事をさせれば2人で半人前、しかし陸にあがると10人前の悪さをする」などとよく言われたものである。(今はまったく違っている?)この男は馬鹿げた話が得意なのだが、馬鹿ばかしさも度を越えると気持ちがいいくらいの馬鹿な話をするのである。

Kの話の中でも、とりわけしょうもなく馬鹿げている話をひとつ…。
それはKが子どもの頃、海に泳ぎに行った時の話。なんと海底に1mくらいの大きな穴がポッカリとあいていたという。その5メートルぐらい離れたところにも、もう1つ穴があいており、水が吹き出ていたというのだ。
何かと思って目をこらしてよく見たら…
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はじめに

また暑い夏がやってくる。
夏が暑いのは当たり前と思うか、嫌なものであると捉えるかは人それぞれ違う。「どうにかエアコンに頼らない生活ができないものか…」と考えたのが今から35年前。それが大自然の冷暖房「GEOパワーシステム」の発想の原点である。

私は昔、船のエンジニアだった。当時、船の上ではすべてが自給自足であった。電気も水もエネルギーも…。住む人の幸せ、すなわち「健康」を一番に考えた家造りのスタートは、まさに単純な発想の転換からだった。私たちの足元にある膨大なエネルギーの蓄熱層、つまり「大地」を有効利用できないかと…。井戸水の原理で夏冷たく、冬暖かい、地産地消のエネルギー利用である。しかし発案するまでは良かったが、具体化して商品化するのに相当なエネルギーを費やした。

これから私の体験記や開発秘話など諸々を書き綴っていくつもりである。このシステムが皆様の幸せを育むことを期待して。